北海道大学・鎌田英治教授が
死の1週間前まで筆をとられた絶唱本

最善は尽くされたか

−余命六ケ月!末期ガンを告知されて

定価:1,365円(税込・送料別)
体栽:四六判・総頁数=104頁



 鎌田英治氏は本年3月に末期ガンを告知されたあと、しず子夫人とともに自らの闘病記を死の1週間前まで病床で書き続け、生前、小社にその出版を託した。それが本書『最善は尽くされたか−余命六ケ月!末期ガンを告知されて』(四六判・104 頁)である。残念ながら、発行は通夜の日(22日)となったため、著者は本書を生前、手にとることは出来なかったが、そこには現代医療に対する不信と疑問、愛する家族、学問との別れを、道半ばで余儀なくされた筆者の無念が、絶唱となって綴られている。

本書の内容から  

 『早期発見・早期治療を謳う人間ドックとそれを支える精密検査。しかし、その内容は病名を正確に診断するためだけのものなのか。その病気だけを見、患者を一人の人間として見ることなく、その生命の尊重を考えないものであった。診断は正しいかもしれないが、早期発見の可能性が高い段階では簡単な検査で「異常なし」とし、すぐにも治療的な対応が必要となる進行した段階では治療することなく1ケ月にわたる入院検査を行っているのである。そうして「その病気の発見が難しいこと」、「その病気の治療率が低いこと」をもって「どうしようもなかったこと」、「早期発見をする責任のないこと」として処理されている。許されるものではないし、許すべきではないと考えている。強い怒りを覚えるのである』(第1章 はじめに/12P)

 『平成11年1月5日、正月酒酔いもある状況で訪れたK病院のN医師の診察室。私はそこに居た。「そしてN医師は私に腫瘍の確率50%と冷淡に言い放ったのであった。青天の霹靂。それから始まった病気との戦い。あらゆる手段を尽くしたように思う。それによって夫婦の連体は一層深まったのである。しず子、本当にありがとう。......(中略)そろそろこの苦しみから私は開放されるであろう。私は今、確信する。患者は医師の思い通りになってはならない。病気に対して怯まず、自ら直す心構えこそ必要だと』(第8章 おわりに/102〜103P)

目次より

第一章 はじめに
第二章 人間ドックでの指摘と精密検査
(平成9年7月22日〜平成10年9月30日)
 平成9年7月のドックと精密検査/人間ドックでの異常なしに安心
第三章 「最良の対応」、その実態
 大事な時に役に立たなかった20年のドック検査/「名医」の診断は最良であったか/患者の心と病状を無視した検査(平成11年2月22日〜4月24日)
第四章 人間ドック・早期発見を謳う欺瞞
 人間ドックと精密検査/自分の生命を守るために、我々には何ができるのか/医療検査の危険性/患者の救命に全力を挙げたか/「手遅れ」は医師の免罪符
第五章 大学病院に入院するということ
 診察カードが6枚/若手医師群に見た興味本位の「傍観者」/患者にとって大切なのは「希望」
医療側の常識・受ける側の無知/東大病院が告発された
第六章 医療の世界
 無謬性の神話/インフォームド・コンセント/現代医療と免疫療法の評価/医療は本当に患者のためのものになるか
第七章 新しい生、その一日一日を
 私の誓い/緩和ケアとターミナルケア
第八章 おわりに

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