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和文書籍 著 者: 体裁:B5判・206頁、和文書籍 |
鉄筋コンクリートは近代文明そのものです。 世に出現したのは約150年前、日本では明治になってからで、約110年の歴史しかありません。 近年、永久的と言われたコンクリート構造物の早期劣化が世界的な問題となっています。 中性化(大気中のCO2による老化)、塩害(飛来塩分による鉄筋腐食)、アルカリ骨材反応(コンクリートの癌)による劣化です。 英国での近代コンクリート構造物の歴史は深く、多くの面で世界をリードしてきました。 本書はコンクリートの世界的な権威者のお一人である、英国シェフィールド大学のSwamy教授と表面塗材による コンクリートの耐久性向上に関する共同研究を約25年に亘って研究し、その成果をまとめたものです。 日英がスクラムを組んで実験室および実環境での試験結果を集大成したもので、 これだけ長く、両国で一つの目的のために研究を続けた例は少ないのではないでしょうか。 コンクリート構造物の劣化は、セメント、骨材、養生条件、荷重、ひび割れ、経年および 厳しい自然環境条件等の相互作用で劣化が生じています。 コンクリート自体での耐久性維持は限界にきており、「包括的かつ全体的な設計戦略」を含め、 表面塗材の特性(防水、遮塩、ひび割れ追従等)を活かした耐久性向上に目が向けられてきています。 実構造物への適用事例とその経年調査結果、さらにコンクリートの耐久性の歴史に照らし合わせた 我々の研究の背景を時系列に示して、より理解を深められるようにしました。 決して使い勝手のよい教科書とは言えませんが、建設に携わる方々が本書によって有益な技術情報を得て、 コンクリートの耐久性向上に取り組んでいただければと考えます。 (谷川記) 【本書の内容】
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